きらきらしている。

舞台が好きな話とかをします。

メサイアのここがすきだというはなし

 

 

8/31~9/10まで東京 銀河劇場にて、そして9/22~9/24に大阪 サンケイホールブリーゼにて行われる、大人気シリーズ舞台の最新作『メサイア-悠久乃刻-』をみなさんご存知ですか?
 
 
流行りの2.5次元舞台に出ることの多いキャストばかりなので、「なんとなく名前は知ってる」という方もいるのでは?
メサイアがなにか、聞いたことあるけれどどういう世界観?どこから入ればいいの?という質問に対するアンサーは、既にたくさんの熱いファンが出してくれていますのでそちらを参考にしてみてください。
 
(まとめのリンクおかりします)
 
今からでもわかる!メサイア入門編
 
メサイア入門まとめ2016
 
わたしはメサイアが好きで、更にいえばメサイアという作品から海棠鋭利くんを演じている松田凌さんを追いかけるようになったのですが、鋭利がチャーチを卒業してしまってからも、メサイアという作品そのものにずるずると魅了され続けています。今日は眠れないのでその魅力を書いていきたいと思います。
 
▼舞台オリジナル、という強み
メサイアは原案となっている小説(作者の高殿円さんは、2017年2月の新刻シリーズから舞台のストーリー構成も担当しています)はあるけれど、物語は全て舞台オリジナルです。
公演初日に心臓をばくばくさせながら席について、ハンカチを膝に置いて、チャーチの鐘が鳴るのを待つ。あの感覚は、舞台オリジナルならではのもの。どれだけ過酷な展開が待ち受けていても、初日があけてしまえば新作の展開を知らなかったわたしたちには戻れない。どれだけ辛い裏切りがあっても、驚愕の関係性が明らかになっても、耐え難い死があっても、それを見なかったことには出来ないのです。最高ですよね。リアルタイムで、目の前で、確かに熱を持って行われる。舞台の醍醐味ですが、そのシリーズが2013年から続いているということに、感謝しかありません。
 
▼役者の熱量による現実へのアプローチ
スパイ、仮想敵国、メサイアという自分の半身……。なかなか、平和な(いまはその平和も危うい情勢ではありますが)時代に暮らすわたしたちにはピンとこない部分も、あるかもしれません。わたしも、例えば漫画でこうした設定のものをオススメされたら、肌に合わないなあと思うものもあるかもと思います。それは難しい世界観の説明や、時に恥ずかしいな(もちろん褒め言葉)と感じるほどまっすぐなセリフがあるから。つまり自分がその世界観に入り込めない可能性、ということです。
 
その点舞台は、生で、目の前で、生きている人間が感情を揺らし、観客の心を直に揺さぶってきます。文字に起こされた情報以上の「感情」をのせて、こちらに投げつけてきます。たった一呼吸、その空気の揺れで観客に涙を流させます。たとえセリフがなくても、表情で語ります。嬉しい、楽しい、悲しい、悔しい、驚いている、焦っている、全部、言葉がなくても伝わります。メサイアはそれが顕著にあらわれている舞台だなと感じます。アクションに目をとらわれがちですが(アクションがめちゃめちゃにハード、殺陣稽古は通称『道場』)、メサイアの魅力はそういった感情の機微にもあるのです。
 
わたしは、メサイアの作品に時折出てくる「互いがメサイア(唯一無二の存在)であるから説得力を持つシンプルな言葉」が大好きです。鋭利でいうと、「いやだ!」(『翡翠ノ章』より)が本当に好きで。「やめろ」でも「死ぬな」でもなく、「いやだ」という、シンプルな、ありったけのわがままなセリフが、なによりも刺さります。他にもたくさんありますが、護の「俺がここにいるってことは、お前はそこにいるってことだ」(『暁乃刻』より)も、メサイアメサイアである、それ以前に白崎護と悠里淮斗の関係性を如実に表現した、これ以上にないセリフで、好きです。
 
▼それぞれの関係性
脚本の毛利さんってば、よく思いつきますね……というくらい、サクラ候補生、そして敵たちの魅力的な関係性が素晴らしいメサイア
実は過去に繋がっていた、という誰もが好きだ!という設定をはじめ、繋がりはあるが片方はそれを知っていて秘密にしている(知らない方は隠している側に殺意を向けている)というトンデモなメサイアや、同じ対象へ圧倒的なマイナスの感情を持っている、という事実が一致しているメサイア、みている側が「このメサイアの未来が気になる!でもこっちのメサイアも早くスポットをあててほしい!」とただただ欲張りになるような心躍る関係性ばかりです。
「互いに依存しているが故の弊害」「共依存の結末」そして新鮮だったのが「過去に因縁がない者同士故の未来」も切り開くことができる作品、なのだということも新たにわかりました。可能性しかないメサイア、早く次作の日程をください。次は桜舞う季節がいいです。
 
▼チャーチ卒業という、一時的なさよなら
メサイアというバディと卒業ミッションをクリアしたスパイ候補生は、一人前のスパイ(サクラ)として単身北に送られます。その卒業ミッションを描いた作品が、メサイアシリーズにはいくつかあります。(白銀、翡翠、暁、悠久)その作品を終えると、基本的には(誰かのセリフで名前があがることはあれど)役者も基本的に『卒業』となりますが、『卒業した一人前のサクラ』としてチャーチに戻ってくることがあります。「凄腕の先輩」として力が必要な際に呼び戻されるのです。胸が熱くなる展開でしょう?実際、舞台では『白銀ノ章』(2014年)で卒業した五条颯真が『鋼ノ章』
(2015年)で戻ってきたり、『翡翠ノ章』(2015年)で卒業した海棠鋭利と御津見珀は外伝映画『極夜』(2017年)で帰ってきました。卒業衣装がまたかっこいいんですよね~~~今までみんな同じ制服(メサイアコート)だったのが、それぞれ個性的な衣装になってるんです。
だから、メサイアが続いていく限り、生きて卒業していったサクラたちにまた会えるんじゃないか、とどこか期待してしまいます。彼らが闇に潜みながら生きていることが、わたしたちの生きる希望になっているんです。わたしたちは、戸籍も国籍も抹消された男たちに生かされています。
 
 
メサイア気になってきた?
なってきましたよね?ちょっとなら見てもいいかな?って思い始めましたよね?ありがとうございます~~~~!
ということで!こちら!
 
 
 
 
冒頭で宣伝しました最新作の東京楽(9/10)公演が、なんと配信で見れちゃいます!!!!!すごーい!!!
しかもGyaOだと2月に行われた前作、『暁乃刻』も配信しています!どっちも見たって1公演分のチケット代の半分くらいです。すごい時代になりましたね……。
 
メサイアの入口は人それぞれなので、ちょっと気になる……という方は、騙されたと思って今作からでも見てみてください!5日間見放題で2000円なら、映画を見に行く代わりにいかがでしょうか???
主演ふたりが魂を削って板の真ん中で戦っています。ふたりの「目」がぎらぎらしていて、観客の心を鷲掴みにします。メサイアをどうかよろしくお願いします!
 
 
さて、わたしは大阪公演にそなえて荷造りをします。
みなさま、よい革命を!