きらきらしている。

舞台が好きな話とかをします。

七夕の日、日本青年館は間違いなく「綾薙学園」だった。

 

先日、Second Season ミュージカル「スタミュ(以下ミュミュ)を観劇した。

初演とカリグルは配信で見ただけなので、生で舞台を見るのは初めてになる。

 

初演のきらきら!歌!笑い!一生懸命!衝突!仲間!絆!逆境!そして成功!といった眩さに、画面に釘付けになったのが1年前。初演はアニメの1期をなぞる形で舞台化されたため、杉江くん演じる主人公・星谷くんが「あの日雨の中ひとりで踊っていた憧れの高校生」を追いかけるために「綾薙学園」に入学し、そこで出会った個性的な仲間と、拾い上げてくれた鳳先輩と共に最初の一歩を踏み出すお話だった。

 

今回はドラマCDとOVAにオリジナル(脚本はアニメ脚本の方なので実質新作!)が加わり、年末年始の話からはじまり、華桜会の先輩方が卒業する際に感謝を伝える「卒業セレモニー」までの話がメインとなる。

 

開始3分ですでに泣いてしまったわたしが言うのも説得力がないけれど、ミュミュはとにかく「きらきら」が沢山あって最初から最後まで「きらきらしかない」お話である。それでいて起承転結がしっかりあって、友情・努力・勝利がお約束のジャンプ漫画のような、カタルシスを感じる部分でさえきらきらと輝いている。

 

今回は主題である「1年間指導をしてくれた先輩に感謝を伝える」ということが、丁寧に表現されていた。自分に期待してくれた先輩、自分を励ましてくれた先輩、自分を拾いあげてくれた先輩。自分にとってかけがえのない先輩に、どうやって感謝を伝えようか。どんな演目なら喜んでくれるだろうか、どんな演技なら学園のトップに立っていた先輩の顔に泥を塗らないセレモニーができるだろうか。寂しいけれど、どうやって、卒業しても頑張ってくださいと背中を押そうか。チーム鳳もチーム柊も各々が悩み、時にはぶつかり、エリートにはエリート故のプレッシャーがあったりと(2幕の戌峰くんが柊先輩に質問をとばすくだりからずっと泣いていた)話が進んでいくのだが、ぜんぶがぜんぶ、誰かが誰かを大切に想う故の「愛情」きっかけなのが、じわりと観客の心にあたたかい感情が広がっていくような物語だった。

 

 それは物理的な煌びやかな照明であったり、思わず鳥肌がたってしまうような演出であったり、吉谷さんが得意とするカラフルな演出が最大限スタミュの世界観を目の前に立体として再現しているという部分も大きいだろう。わたしは星谷くんが制服から衣装にかわり、きらきらのステージでRISING STARを歌いあげている時に上手に座り込んでにこにこと彼の成長を一番近くでみている鳳先輩、という図がとてもすき。あんな幸せな瞬間そうそうない。

 


今回は華桜会の絆もたくさん描かれていて、楪先輩のみんなを心配に想う優しさや、暁先輩と鳳先輩の駅のシーン(マフラーのまきかたがアニメと同じでかわいかった)や、漣先輩の厳しい口調の中にみえるあたたかさ、柊先輩の心からの優しい言葉のすべてが、わたしが見たかった華桜会だった。華桜会がすき……。

 


ギャグパートもたくさんあって笑ってしまった、ネギとか、ネギとか虎石みませんでした?とか…………笑 杉江くんはほんとうに笑いに貪欲でずるい。

 


キャスト全体も初演から歌唱力があがっていて、あがっていたというか「良い歌い方を覚えた」という感じで、それがまた1年で成長した学生たちとリンクするんだよなあ、と感慨深くなったりもする。(テニミュとかと同じ現象)

 

 

 

ディレイ配信やライビュも決定してるので気になる人は気軽にみて欲しいし、当日券もあるのできらきらを浴びて欲しい。予想以上に彼らはきらきらしてるし、予想以上にきらきら(物理)していて驚くはずだ。

http://star-mumu.com

 

余談だが、新しくなった日本青年館にはじめて行ったのだが、物販のメッセージカードの内容(本来卒業セレモニーは外部の観劇はできないけど、今回は特別に観劇できるんだよ!という旨が書かれていた)もあいまって、「ここが綾薙学園で、わたしは今から卒業セレモニーを見るんだ」という没入感としてはぴったりだった、というあれこれもありました。

 

 

 

一度見て幸せなきらきらをたくさんもらって胸がいっぱいになって、もっと見たい!という気持ちと、この最初に受けた感動をずっと新鮮にしまっておきたい!という気持ちでこんなにせめぎあう舞台もなかなかないんじゃないかなあ。

 

 

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これはミュミュの後に食べたイチジクとブルーベリーのケーキです(他に写真がなかった)