きらきらしている。

舞台が好きな話とかをします。

だいすきなRYTHEMに出会った、11歳のわたしへ。

RYTHEMの話をします。

当時の話をするので、きれいな感情ばかりではないかもしれないです、自己責任でお願いします。

▼この記事は私の記憶だけで書いていますので、時系列はぐちゃぐちゃな可能性があります。

何で今更RYTHEMのことを書こうとしたかははっきりしていて、現在ソロ活動をしているYUIさん(新津由衣さん)が本名に改名して1からスタートするという記事をあげていたから。なんか、それを読んだら、書かなきゃいけないなって。

わたしの音楽は、ぜんぶRYTHEMでできている。

今でもはっきり『出会いの日』を覚えている。

小学6年生、わたしがまだ誕生日がきていない時。だから11歳のわたし。当時大好きだったNARUTOの1時間スペシャル、内容的には中忍試験のはじまり。オープニングがアジカンの『遥か彼方』にかわり、そしてエンディングがRYTHEMの『ハルモニア』になった瞬間から、わたしはRYTHEMに恋をした。

サクラといのが歌っているアニメーションの中流れるのは、すてきなハーモニーと不思議な歌詞の曲。NARUTOが終わるとすぐに、録画していたビデオテープを巻き戻して、何度もテレビに耳をくっつけながら歌詞をききとった。CMが入っていて、RYTHEMというグループのデビューシングルなんだと知った。

当時11歳のわたしは、CDは『レンタルするもの』だと思っていた。だから、近所の文教堂に行って、ハルモニアのCDを持ってカウンターにいった。身分証がない子供にはレンタルカードが作れないことを、店員さんが教えてくれた。同じ店内にはCDショップも入っていて、そこでCDは『買えるもの』なんだと知った。わたしは、RYTHEMのCDが欲しかったので、親に頼んで持っていたゲームを売ってもらった。コナンのプレステのゲームは確か1500円で売れた。そのお金で、わたしは生まれてはじめてCDを『買った』のだ。

どっちがどっちか分からないくらい似た歌声、不思議な歌詞、高校生デュオ『RYTHEM』に、小学生のわたしは夢中になった。

ラジカセに耳をくっつけながらYUIとYUKAの声を聞き分けて一緒に歌っているうちに、自然とハモるということを覚えた。同じくNARUTOが好きな友達と、学校の休み時間に一緒に歌ったりもした。『てんきゅっ』がニューサマー便としてセカンドシングルになった時は、わたしが住んでいる地域でインストアライブをやった。水の広場、っていうへんなスペースだった。友達と行って、初めて生でみるYUIとYUKAは制服(っぽい衣装)を着ていて、可愛いお姉さんたちだった。CDをその場で買うとお渡しだかサインだかステッカーがもらえるだか、何かあったけれど、小学生のわたしにはすでに持っているCDを買えるだけのお金はなかった。ただ、お渡しをされている大人たちが流れていくのを羨ましく見ていたのを覚えている。

その年のクリスマスプレゼントはCDプレイヤーを頼んだ。これでいつでもイヤホンからRYTHEMが流れてくるのだ。

RYTHEMは、わたしに色んなことを教えてくれた。まず、ラジオを聞くというきっかけになった。オールナイトニッポンいいネ!の最後の方のコーナーであった『RYTHEMマイダイアリー』を聞くために、両親にバレないように夜中まで布団の中で起きていたのは今でもよく覚えている。当時は当然携帯電話なんて持っていなく、(寝たふりをするために)電気も消さなきゃいけなかったので、何度も寝落ちしてしまったりもした。(当時出来たばかりでタイトルのなかった、『無題』が大好きだった)

そして、カラオケに行く楽しさも知った。例の友達とRYTHEMばっかり歌っていた。事務所にハガキを送る、ということもはじめてだった。たしか、何度か年賀状を送った。

勝手な話だけれど、『万華鏡キラキラ』が、RYTHEMにとっての転機のように思えた。発売日は、中学1年生になったわたしの誕生日だった。5月26日、わたしの13歳の誕生日。どきどきしながら学校帰りに文教堂に寄って、CDを買った。いままではアニメのタイアップが多かったが、やはり地上波のドラマ主題歌の影響はすごい。RYTHEMミュージックステーションに出る日が来るなんて、夢にも思わなかった。すごかったなあ、あの時は本当に嬉しかった。

ファーストアルバムである『ウタタネ』が発売された時も、水の広場でインストアイベントがあった。わたしは友達と開店同日にかけこんで、最前列の真ん中の席を確保した。

初回限定盤を先に買って、通常盤をイベントで買った。だから、去年のわたしがうらやましく見ていたお渡し会に、参加できたのだ。何を話したかはもう覚えていないが、その時のサイン入り歌詞カードは、今でも大事に持っている。

『ホウキ雲』から、YUKAがアコギを使うようになった。わたしの両親もアコギを持っていたので、教わるようになった。中学で出来たRYTHEMが好きな友達(リズ友)はピアノがうまかったので、よくふたりで遊んで、『RYTHEMごっこ』をしていた。この頃には、たいていの歌ならさらっとハモれるようになっていた。わたしの音楽の全ては、RYTHEMでできていたのだ。わたしは彼女たちが作る、仲の良すぎる彼女たちしか作れないファンタジーな世界観と、心地よいハモりと、それら全てが大好きだった。『夢現ファクトリー』がとにかくアルバムとして素晴らしくて、家族で出掛けるたびに車で流していたものだから、家族全員が歌えるようになっていたのも懐かしい。

『桜唄』、『蛍火』、『首すじライン』どこだったかな。『首すじライン』が決定的だったかもしれない。うん、多分それだ。

「あれ?」と思った。

RYTHEMが、恋愛の歌をうたっている。ちがう、RYTHEMが「恋愛の歌ばかり歌うようになった」と感じるようになった。わたしはたしか16歳、高校生になっていた。RYTHEMはとっくに大人になっていた、だから仕方ないのかなとも思っていた。いつまでも、ファンタジーで友情で、だけをおして売っていけないのかなって。でもわたしはそれが嫌だった。『RYTHEM』が『RYTHEM』じゃなくなる気がして嫌だった。3枚目のアルバム『23』には、『蛍火』も『桜唄』も、わたしが大好きだった『霞桜』も入っていなかった。不思議で、幻想的で、非日常感のある曲じゃなくて、大人っぽくて、かっこよくて(タイトルも英語が多かった)、恋愛の曲ばかりだった。その頃には、どっちがYUIでどっちがYUKAが歌っているか、いちど聞けばわかるくらい、歌い方も違うようになっていた。

それでも、札幌でライブがある時は足を運んだ。わたしがはじめて聞いた時から大好きだった名前のないあの曲が1曲目から歌われた時は、涙が勝手にあふれてきた。背が小さくてふたりがほとんど見えなかったわたしは、MC中にふたりが「見えない人いたら気にしてあげてね~」と声をかけてくれたおかげで、周りの人があけてくれて、ようやく見えるようになったのも覚えている。幸せな空間にいるのだと思った。はじめてNARUTOのエンディングで『ハルモニア』を聞いたあの日から、わたしは幸せなんだと思っていた。

解散発表の日、「嘘だ」ではなく「やっぱり」と真っ先に思ってしまったのは、わたしも大人になったからなのだろうと思った。このまま『RYTHEM』が『RYTHEM』じゃなくなるのなら、わたしはそれが最良なのだと思っていたから。どんどんファンタジーではなくなって、色んなJPOPに埋もれるような恋愛の曲になって、強みであったハモりのパートもほとんどなくなって、これが『RYTHEM』かと言われると、わたしにはわからなくなっていたから。大好きだったんだけどな、大好きなんだけどな。ぐるぐる考えて、悲しくなった。2010年、わたしがRYTHEMに出会ってから7年以上が経っていた。当時ぎりぎり11歳だったわたしは、19歳くらいになっていたはずだ。彼女たちがデビューした年齢をこえてしまっていた。それでもわたしはまだ、彼女たちが高校生の頃にたくさん作ってくれていた、きらきらした唯一無二の楽曲のファンだった。ラストアルバム『リズム』に『無題』が入っていたのが嬉しくて、嬉しくて、でも悲しくて、こうしてRYTHEM解散してしまった。(コンプリートアルバムに『あいのことば』が入っていたのは良かった。恋愛、だけではない『あい』を、RYTHEMでなら続けて発信できたと思うのは、ファンのわがままなんだろうけど)

おふたりがソロで活動をはじめて、最初こそ追っていたが、最近は(申し訳ないが)全然聞けていなかった。そんなタイミングで、YUIさんが本名で活動していくという『決意』のブログを読んで、わたしの大好きだった『RYTHEM』を思い出した。

ふたりが描く、ファンタジーということばだけでは語りきれないような、夢のように幸せで、時には何かが起きる旅の途中に連れていってくれたり、三日月にもたれかかったり、キセキをおこしたり、そんな、『ありふれていない』世界にいつでも連れていってくれる、RYTHEMが大好きだったことを思い出させてくれた。気づいたら夜中にぼろぼろ泣いていた。もう26歳になってしまったわたしが、11歳のわたしみたいに泣いていた。26歳だって、わたし。先月誕生日を迎えて、「何もしていないのに歳だけ重ねていく自分」が怖くなったばかりだった。RYTHEMを知ってから、もう14年ちょっとも経ってしまった。わたしだって、年齢だけ見ればもう充分「大人」だ。やだな、大人になりたくないな。でも大人にならなきゃな。これがきっと、YUIさんもブログでいっていた、「封印」しなくちゃいけない感情なんだろうか。

ぐちゃぐちゃでまとまりのない、しかもオチも特に綺麗じゃない話をここまで読んでくれた方、ありがとうございます。RYTHEMをもし知らない方がここまで読んでくれていたら、ぜひ聞いて下さい。『ウタタネ』から『リズム』まで、アルバムだけでもいいですが、よかったら、RYTHEMはカップリング曲まで素晴らしいので、シングルもどうにかして聞いてみて下さい。CDをかければ、いつでもRYTHEMだけの世界に連れて行ってくれる、音楽は、いつでも色褪せない。すごいなあ。

ただのファンより、元RYTHEMのおふたりに愛をこめて。