きらきらしている。

舞台が好きな話とかをします。

セカンドステラさんのオンラインマダミスであそぼう!

■観劇オタク、マーダーミステリーで遊ぶ

このご時世、持っていた舞台のチケットが元の現金になることばかりで外に全然いけなくなっちゃったから、ユドナリウム で遊べるマーダーミステリー(以下マダミス)をフォロワーとたくさん遊びました。マダミスとは?というのはわたしの好きなオモコロさんの記事があったのでリンクしておきます。

 

omocoro.jp

 

簡単にいうと推理小説の登場人物になって事件の真相を明らかにする」ゲームですね。専門のお店もあって、そっちだと6~10人くらいで遊べる。脱出ゲームのように、その場で集まった人と1回かぎりの物語を楽しむ感じです。わたしもオンライン以外だと5~6回くらい遊んでいます。

 

■セカンドステラさんのオンラインマダミスが楽しい!

タイトル通り今回の主旨はこれです。

secundusterra.jimdofree.com

 

オンラインでできるマダミスを多数配信してくださっているのがこの「セカンドステラ」さん。無料シナリオから700円以下で遊べるシナリオまで、現在(2020年4月28日)遊べるシナリオはなんと8つ!

 

今回は「マーダーミステリーやってみたいけどたくさんある……初心者はどれがいいの……?」と迷ってしまう方のために、全部遊ばせていただいた一般人のオタクがネタバレなしの感想を書くことにしました!ありがとうセカンドステラさん、素敵な作品たちのおかげで、外に出られないオタクたちも楽しめています。

 

■無料シナリオ『腐女子山荘殺人事件』

secundusterra.jimdofree.com

◆人数

4人(GMなし)or 5人(GM+PL4人)

どちらでもプレイ可能です

◆時間

1~2時間

◆販売価格

完全無料(スマホ対応)

 

初心者おすすめ度:★★★★★

ロールプレイ楽しい度:★★★★★

GM難易度:★

 

元ネタはtwitterでバズったやつなので聞いたことある方も多いかも?
とにかく無料なので、「マダミス気になる」という腐女子(もしくは腐女子に理解があるオタク)にオススメです。原稿合宿のためにオタクたちが山奥の旅館に泊まるお話。GMなしでも遊べるタイトルなのですが、オンラインでやるなら時間管理とかの関係でGMいた方が便利だよ~と思いました。なので、GM難易度は低め。
とにかく「警官にオタク(腐女子)だとバレないようにするロールプレイ」が楽しくて、制限時間まるまる一般人アピールに使い切った回もありました。茶番大好き。

 

■正統派マダミス『亡霊島殺人事件』

secundusterra.booth.pm

 ◆人数

5人(プレイヤー4人+ゲームマスター)

◆時間

1~2時間

◆販売価格

580円

 

初心者おすすめ度:★★★★★

正統派マダミス度:★★★★★

GM難易度:★★

 

 過去に無人島で起きた転落事故。
その時と全く同じ状況で今度は別の友人が転落死し、その友人の部屋には「迎えに来たよ」というメッセージが…という、いかにも、いかにも推理小説!!!というタイトルです。わかりやすい導入のため、金田一やコナンが好きな方にオススメ。後述する続編もあるので、とりあえずどれか買って遊んでみたいな!という方にもオススメです。

 

■悲劇は繰り返す『亡霊島殺人事件 Next loop』

secundusterra.booth.pm

◆人数

5人(プレイヤー4人+ゲームマスター)

◆時間

2~3時間

◆販売価格

580円

 

初心者おすすめ度:★★★★

キャンペーン満足度:★★★★★

GM難易度:★★

 

前述した『亡霊島殺人事件』の続編。
キャンペーンシナリオの第2弾ということで、前作をプレイされた方のみ遊べます。
わたしが遊んだ時は同じメンバー、同じGMでのプレイだったので、前作と同じ登場人物を担当しました。前回との情報が頭の中でごちゃごちゃになってとてもオススメです!(笑)今回感想を書いている全8作の中で個人的に一番楽しかったシナリオがこれ。(理由:「推理」と「ファンタジー」を区別して遊ぶことができるから)詳しく言うとネタバレになるのでこれくらいですが……三部作ということでファイナルを今か今かと待ち続けております。

 

■オタクならみんな大好きホームズとモリアーティ『J・モリアーティの暗躍』

secundusterra.booth.pm

◆人数

5人(プレイヤー4人+ゲームマスター)

◆時間

1.5~2.5時間

◆販売価格

680円

 

初心者おすすめ度:★★★

ロールプレイ楽しい度:★★★★★

GM難易度:★★

 

「気をつけろ、この中の1人は変装したモリアーティだ」

この台詞を見ただけでワクワクしませんか?オタクはみんなシャーロック・ホームズが好き。そんなあなたにオススメなのがこのシナリオ!初心者おすすめ度★3にしましたが、題材が好きなら真っ先にこれをやっても良いかもしれない。ただ、担当する登場人物によってはめちゃめちゃ悩むかもしれない。とても面白いシナリオでした。登場人物ひとりひとりが知っている名前なので、探偵と助手とか警部同士とかのロールプレイもこのシナリオの醍醐味のひとつ!

 

■推理が飛び交い「ウホ」が舞う!『宇宙ゴリラパンデミック!』

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◆人数

5人(プレイヤー4人+ゲームマスター)

◆時間

1~2時間

◆販売価格

580円

 

初心者おすすめ度:★★★★

飲酒推奨度:★★★★★

GM難易度:★★★

 

世の中には「ゴリラ人狼」なるものも存在するらしいですが、こちらはマダミス界のゴリラを担っています(?)とにかくウホが舞いました。この「ウホ」以外の部分は結構シンプルな謎解きのため、初心者にもかなりオススメ!下手に小難しいキャラクターを演じるより、こういうわかりやすいロールプレイの方が遊びやすかったりするので、がんがんハードルを下げて遊んでほしいです。1回遊んだら他のプレイも見学したくなるタイトルでした。案の定ひとのプレイ聞くのすごい楽しかった。

「原稿の締め切りに追い詰められてる時に見る夢」「高熱が出た時に見る夢」という感想を獲得したこのマダミスのユドナリウムデータ。ぜひ味わってみてください。



■4人のオカルト愛好家たちの物語『旧き支配者に冒涜の贄を』

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◆人数

5人(プレイヤー4人+ゲームマスター)

◆時間

1.5~2.5時間

◆販売価格

580円

 

初心者おすすめ度:★★★

ゲームシステム:★★★★★

GM難易度:★★★

 

愛武蔵人(あいぶ くらと)という富豪が死去し……という導入からわかるように「クトゥルフ神話」をモチーフにしたシナリオです。ただ、もちろんクトゥルフの知識がなくても楽しいですし、ちょっとでもかじっているとより楽しいシナリオかと思います!セカンドステラさんの中でも特に「おお!」となるゲームシステムだったので、ちょっとマダミスに慣れてからプレイした方がより楽しめるかも?わたしは最近クトゥルフ神話TRPGで遊びだしたこともあり、ノリノリで遊びました。


■記憶を取り戻して、元の世界に戻る『夢幻世界と秘密の恋』

secundusterra.booth.pm

◆人数

5人(プレイヤー4人+ゲームマスター)

◆時間

1.5~2時間

◆販売価格

680円

 

初心者おすすめ度:★★

意外性:★★★★★

GM難易度:★★★★

 

「きらきらでかわいい!わたしこれやりたい!」
メインビジュアルを見てそう言ったのを覚えてます。
とにかくGMが大変そうだったので(笑)この中だったらちょっと慣れてきた頃にやるのがオススメです。全員が「記憶を奪い取られている」ところからのスタートなので、いつもみたいに最初からガンガン話す!ということができないのも新鮮でしたね。これも他の人が遊んでいるのを観戦したい!


■あの日に起きたもう一つの物語『黄衣島脱出の裏側にて』

secundusterra.booth.pm

◆人数

5人(プレイヤー4人+ゲームマスター)

◆時間

1.5~2.5時間

◆販売価格

680円

 

初心者おすすめ度:★★

クトゥルフ神話:★★★★★

GM難易度:★★★★


今年の2月に猿島で行われたセカンドステラさんの謎解きイベント『黄衣はためく島からの脱出』の裏側を描く、というシナリオ。もちろん参加していない方でもマダミス単体で楽しめます。

 

secundusterra.jimdofree.com

☝リアルイベントはこちら(イベントは終了しています)

こちらもクトゥルフ神話をモチーフとしているタイトルなので、クトゥルフ神話を知っている方は冒頭からニヤリとするポイントがたくさんあります。わたしはGMだったのですが、これとにかくGMも面白い!現在の最新作ということもあり、セカンドステラさんのタイトルの中で一番最後にプレイしたのですが、ある意味「セカンドステラさん慣れ」してきたプレイヤーも「あ~~~!?」となりながら楽しんでいた印象です。いつか猿島に行く機会があったら、このマダミスを思い出すんだろうな…(笑)

 



■みんなも気軽にマダミスで遊ぼう!

以上、8作品。
ざっくりとした個人的主観による紹介をさせていただきました!

舞台オタクに限らずオタクあるあるだと思うんですが「自分じゃない誰かになってみたい」「台詞を喋ってみたい」とかって一回は思ったことあると思うんです。マダミスは気軽にそれが出来ちゃうので、実はエンタメ大好きなオタクと親和性が高いんです!わーい、マダミス楽しい!

あと、マーダーミステリーは「犯人を捜す」というメインミッションがありますが、個人的には「物語の登場人物になって謎を解く」という「ロールプレイ」「物語体験」の比重が非常に大きいと思っていて、プレイしたあとに全員が「楽しかった!」と思えれば、結末がどう転んだとしても大成功だと思ってます。マダミスはネタバレ禁止の「一度きりの物語」なので、プレイ後にわいわい感想戦できるのも、プレイした人たちならではの時間でとても好きです。ユドナリウムとディスコードが使えれば、フォロワーとたくさん話せてゲームもできてたのしい。マダミスがある時代に生まれてよかった。


現場がないと悲しいオタクたち、ソシャゲに課金してちょっと贅沢なご飯をテイクアウトして、それでもどうしても楽しいことが見つからないオタクたち、ゴールデンウイークひきこもってやることがないオタクたち、フォロワー誘ってマダミスであそぼう!


お題「#おうち時間

寂しさは誰にも否定できない。

5年以上追いかけてきた舞台シリーズの大千秋楽が終わって2週間が経過しました。

 

↓大千秋楽の朝に寂寥感に襲われまくって書いたブログ

hakumaidane.hatenablog.com

 


ありがたいことに役者たちによるツイッター公演はのんびりと続いており、今日も出演者同士によるLINELIVEがあったりします。ありがたい。わたしのTLは毎日その作品の話をするフォロワーたちで埋まり、わたしも別の舞台を見たり、ソシャゲに忙しかったりする毎日です。

 

でも、正直、やっぱりまだまだ寂しい。

 

1時間以上カテコをやった前例があるくらい、その作品の大千秋楽というのは「特別」で、今回は最後だし、もう何時間やってもいいよ~!とみんなで笑いながら話してました。もうみんなでおつかれさまの乾杯でもしながら色々話せばいいよ、って。会場ロビーの電子掲示板に終了予定時刻が書かれていて、それが普段より三十分長いくらいの時間で、「絶対終わんないよね~」なんて話してました。


けれど、ふたを開けてみれば今まで(現シリーズ)で一番短いカーテンコールでした。


キャストみんなの挨拶もあっさりで、少なくとも20分くらいは話されていた演出家さんの挨拶だって体感5分ほどで、最後も観客と全員で作品名を叫んだらキャストが全力で左右にダッシュではける、というあっけらかんとしたもの。大阪楽でも同じ感じで作品名を明るく叫んで(イメージとしては映画の大ヒット挨拶)キャストがダッシュしてはけて笑いに包まれる、って感じだったんですけど、まさかそれを大千秋楽でやると思わなくて(笑)え、本当にこれで終わり?となりながら、終わりたくなくて拍手を続けていました。完全に客電がつき、緞帳がおりてきても、わたしたちは拍手をやめられなかった。

 

緞帳がおりた時点で、もう舞台上に誰かが現れることはないとわかっていたけれど、それでも、次回作発表もないこの状態でわたしたちが拍手をやめてしまったら、本当に、本当に、この作品が終わってしまうと思っていたから。だからわたしたちは強く、大きく、拍手をした。

 

やがて劇場のスタッフさんが退場を促しにやってきて、ゆるゆると拍手の音は小さくなる。荷物を持って、劇場を後にする。泣いてしまって席をたてない人、ロビーで抱き合って泣いている人、顔を伏せたままあげられない人。遠い昔に経験した、卒業式のようだった。わたしも泣きながら、あまりにもあっさりとカテコが終わってしまって茫然としてしまった。だって、これじゃまるで明日も明後日も公演が続くみたいじゃん。そんなことを友達に言ったと思う。いろんな感情がまぜこぜになったまま、「〇〇が終わっても友達でいようね」なんて、この作品を通じて仲良くなったフォロワーたちと写真を撮って、劇場を後にした。(そのまま15人くらいでカラオケにいった)

 

大千秋楽の翌日から、何をしていいかわからなくなって、毎日仕事を寝坊した。(フレックスだからどうにかなった)妹が泊まりに来た日だけは起こしてもらって定時に行けたけど、その翌日は2時間寝坊した。不良OLがいつも以上にダメダメな2週間だった。

 

新シリーズ一区切り、といいつつも歴代のキャストや制作陣が感傷的なツイートやブログを更新しており、そのひとつひとつが胸を刺した。こんなこと今までなかったから、どうしていいかわからない。5年以上お金と時間と感情を捧げてきたものがぽっかりなくなってしまって、いや、魂に刻まれているからわたしの中からは永遠になくならないんだけれど、物理的に目の前で見ることができなくて、寂しくないわけがなかった。この寂しさを否定することは誰にもできないと思うので、今は思う存分寂しさを味わっている。

 

自分の目で見たものを最後の舞台にしたくて、ニコ生配信も期限ぎりぎりに買った。(今日見る)
まだまだ寂しい。こうならないようにソシャゲのアイドルたちに心を寄せていたのに、やっぱり生で見続けたものには今のところ勝てそうにない。

 


長い間追いかけた現場がなくなった人へ、「こうやって私は立ち直りました」があったら教えてください。

 

わたしたちは今日も拍手しかできない


今日、わたしが5年以上追いかけてきた舞台のシリーズが一度、幕を閉じる。

 


それは3月の前作千秋楽公演で発表され、それから毎日、刻一刻と、最後の日が近づいていた。割愛するけど運営とか、色んなことに疑問に思う日々で、東京公演と大阪公演のチケットを取り終えて一般発売も開始された数日後に凱旋公演が決まって絶望したり(大千秋楽を取り直すのは本当にしんどかった)、今までその作品に対して一度も思ったことなかった「もし、面白くなかったらどうしよう」が頭の中をぐるぐるしていた。5年間でできたたくさんのフォロワーと会う度に「面白いといいね」と話していた。

 

 

 

シリーズ最終作は、最高に面白かった。

 

 

 

そもそも私たちはこの作品の前シリーズが終わった時に、「実はあの作品でシリーズ一区切りでした」とあとから伝えられたのだ。だからこうして「シリーズラストの作品」だとわかって見る舞台は、今回が初めてだった。2015年5月からタッグを組んでずうっと紡いできてくれた脚本家と演出家のふたりが、我々に提示してくれた物語は、演者が真摯に作品に向き合って、唯一無二のキャラクターを演じてくれた舞台は、これ以上になく幸せで、苦しくて、あったかい、愛のお話だった。

 


どれだけ楽しくても、今日が昨日より最高でも、わたしたち観客は拍手しかできない。2時間半じいっと客席に座って、日替わりギャグに笑って、迫真のシーンで息を呑む。どれだけ素晴らしいいか、どれだけこの作品に人生を変えられたか、どれだけこの作品が生きがいになっているか、ぜんぶぜんぶ、カーテンコールの拍手にのせて届けることしかできない。

 


わたしはこの作品のファンも好きだ。

ぜんぶ拍手の圧で届けようとする、ひとつの生きもののような意志を感じる。それを汲んで、「みなさんもカンパニーの一員です!カンパニーの一員って言っていいです」「みなさんも(カンパニーである)自覚を持ってください」と1000人を前にして言ってくれる座長も、それを笑いながらみてくれるキャストも、スタッフさんも、みんなみんな大好きだ。

 


シリーズが終わって、あと10時間後にはもしかしたらなにか発表があるかもしれない。ないかもしれないし、わたしは今は余韻に浸りたいから、どちらかといえばない方がうれしい。でも誰にもわからない、わたしたちはマチネとソワレに、ただ座って、見届けることしかできない。

 


でも、わたしたちは今日も客席に座る。

1/1200のちっぽけな「ひとり」でも、我々がいないと舞台は成立しない。ゲネプロで客席に我々がいないといつも物足りないのだと、そう言ってくれた素晴らしい役者さんがいた。我々だって、この素晴らしい舞台の一部なのだ。

 


そう思うと、すこし誇らしく感じる。

もうこれを書きながらべしょべしょに泣いているけど、わたしたちは、真剣にこの作品と向き合って、ちゃんとシリーズの終わりを、できれば笑顔で見届けよう。わたしたちは今日も拍手しかできないけれど、たくさんの愛をくれてありがとうと、手が痛くなるまで拍手をするのだ。

 

 

 

 


改めて、メサイア-黎明乃刻-大千秋楽おめでとうございます!

 

 

 

▽大千秋楽は配信もあります

https://sp.live.nicovideo.jp/watch/lv321598786

 

リリイベにジェスチャーゲームはいらない

 

言いたいことがタイトルだけで終わってしまった。

 

 

リリイベって大体短くて1時間、長くても1時間半くらいじゃないですか。


その中で我々ファンが期待しているのってもちろん「舞台の話」ですよね。稽古期間とか、本番中とか、客席からは絶対に見えない部分の話が聞けると思って行くんですよ。(少なくとも私は)バクステ映像をたっぷり入れてくれる円盤も多いですが、それにしてもキャスト本人に目の前で喋って欲しい。

 

だから、思うんですよね。


「何でどのリリイベにも大体ジェスチャーゲームがあるのか?」

 

 

リリイベ企画担当者さんへ。
1時間しかないリリイベで、往復1時間以上かけて、何なら平日の16時とかOLには絶対厳しい時間とかにもどうにか仕事中抜けして行ったりして、結果15分~20分くらいジェスチャーゲーム見せられる気持ち考えたことあります? 公演時の話はオープニングトークの10分くらいで済ませられたのに。

 

 

本当に、どの制作会社の舞台リリイベに行っても、打率8割くらいの確率でジェスチャーゲーム(もしくはそれに近いもの)を見せられるんですが、ジェスチャーゲームを布教したいジェスチャーゲーム協会の人とかが協賛してるんでしょうか……。いや、ジェスチャーゲーム自体が悪いわけじゃないんですよ、それを限られた時間しかないリリイベで「とりあえずゲームコーナー入れておけばいいか」みたいに差し込まれるジェスチャーゲームが、無意味では、と言っているであって。

 

舞台のリリイベって大体会場予約特典とかで申込券がもらえたり、予約者全員ご招待!みたいなやつで、言ってしまえば無料なんですけど。だから高望みするなって言われたらそれまでなんですけど。厳密に言えば無料じゃないじゃないですか。舞台に通って、円盤買っているわけじゃないですか。だからリリイベっていうのは、キャストの話を聞いて、例えばその舞台で初めて知ったキャストの当時の話とかを聞いて「あ~この子はこういうことを考えてあのシーンを演じていたのか」とか新たな情報を得て、もう一度円盤を見た時に新たな発見をする、みたいな形が理想だと思っているんですよね。円盤を買ってくれた人が、もっとその作品を好きになるようなイベントになるのが理想じゃないですか。ジェスチャーゲーム、いるかな……?

 

 

正直、あまり詳しくないキャストさんのジェスチャーゲームをしている姿より、作品の話を聞きたかったな……となったりもします。高望みかなあ。

 

 

私が先日参加したリリイベは「キャストが公演の最後に歌われる全員曲を歌う」のが恒例になっている(※補足 シリーズものですが、リリイベで歌っていたのは最初の数作だったようです。最近は歌っていないようでした。コメントありがとうございます)リリイベだったのですが、1時間のざっくりとした内訳が以下でした。

 

・OPトーク(10分)
・来れなかった主演のビデオメッセージ(5分)
・舞台の内容にちなんだ質問(※舞台に直接関係ない)(15分)
ジェスチャーゲームに類するゲーム(15分)
・次回作宣伝(5分)
・〆の挨拶(10分)

 

今回は歌なかったんですよね。
ジェスチャーゲームは長かったけどね、罰ゲームまで含めたら20分くらいやってたのでは……?
質問内容も「作中で楽器を使っていましたが皆さんは楽器経験はありますか?」とか「作中に七夕がありましたが皆さんは七夕にお願いごとをしたことがありますか?」みたいな感じだったんですけど、どっちかというと「作中で楽器を使っていましたが苦労した点はありましたか?」とか「七夕のシーンがありましたが、あの短冊には何が書かれていたんですか?」みたいな、作品内の質問の方がよかったのでは…という気持ちに……なってしまい……。なんか、せっかくキャストを呼んでいるのに内容が薄くてもったいないな……という気持ちになってしまったのでこれを書いています。かなしい。


逆に、今まで楽しかったリリイベの話をします。

 

■キャストを入れ替えてその場で作中シーン再現
これは数年前のオリジナル舞台のリリイベだったのですが、とても楽しかったです。
3人くらいのシーンを全員違うキャストで演じる、というのを2~3つやってくれたのですが、シーンによっては面白かったり、思いのほかシリアスになったりとかなり満足度の高いコーナーでした。
今でも覚えているのですが、脚本演出家の方が「いつも稽古でやるように」とスタートの声をかけてくれて始まった瞬間に、ひとりだけ「本当にその役だったのではないか」と思えるくらいスッと役に入って(もちろん台本も持たず)いるキャストの方がいて。本当に、あの3分にも満たない時間の中だけでも「その役」として生きているように見えて、リリイベに来た価値がここに詰まっていたなと感じました。

 

■もしも登場人物たちで〇〇に行ったら?
これもオリジナル舞台のリリイベです。
とにかくキャラクターの濃い登場人物たち(シリーズものなので人数も多い)全員でキャンプにいったらどうなるか?みたいな「妄想コーナー」だったんですが、出演者全員が作品のことを好きすぎて、オタクたちと思考が近いため、始終爆笑の嵐でした。もう後半みんな笑いすぎてキャストの顔見てなかった気がする。「まず集合から?」「同じ空間に住んでるのに集合から?!」「集合時間に来るの〇〇だけ」「わかる~~~!」みたいな感じでした。超楽しかった。

 

■〇〇の曲を××が歌ったら?
これも上記と同じ舞台のリリイベ。しかも同じ時のリリイベですね。
それぞれ持ち歌がいくつかある作品だったのですが、別の人の曲を歌うなら、とか、歌ってほしい曲とかのこれも妄想コーナーでした。またもやキャストとオタクの思考が似ているため爆笑コーナーでした。(シリアスな二人組に愉快な曲を歌わせたりしていた)ちょっと歌ってくれたりするのもいいなと思ったので、ミュージカル系の舞台のリリイベでも積極的にやってほしいコーナー。

 

この辺りのリリイベは同じ1時間でも満足度が段違いだったなと。
あと衣装展示(写真撮影OK)とか、イントロクイズとか(正解したら歌ってくれたりする)も割と面白かったかも。でもクイズは長いとダレてしまうので適度が良いです。

 

 

ちなみにもし私がリリイベ企画者だったら(?)

 

・作品を振り返るコーナー(舞台写真をうつしながら該当シーンを振り返る)(動画にしちゃうと長いので写真で良いです。オタクはみんな写真だけでわかるので)
・作品にちなんだ内容のコーナー(歌モノなら歌ってもらえるような、ストレートなら台詞とか言ってもらうような)

 

はマストで入れたいと思ってます。

1時間めちゃめちゃ楽しい内容にしたい。
ジェスチャーゲームはやらない。

 

 

 


以上、「リリイベにジェスチャーゲームはいらない」コーナーでした。

 

一番印象に残っている「変わり者」な担任の話

 

◆最初のホームルーム 

私の中学2、3年の頃の担任の先生は端的に言うと「変わり者」だった。
四六時中白衣を着ている理科担当のI先生。
確か私が1年生の時は3年生の担任だった。

まず、なにより第一印象が衝撃的だった。
クラスメイトはきっと今でも忘れないだろう。

 

「俺の母親がもうすぐ死ぬかもしれない」

 

始業式を終え、2年1組の新しい環境にわくわくしながら座席に座り、必要なプリントなどを配り終わったホームルームで、I先生はおもむろにそんなことを言った。一瞬にして水を打ったようにクラス中が静かになった。

 

「どれくらいかは分からないけどそろそろ危ない」
「きっと1年以内には(亡くなってしまうだろう)」
「その時にお前たちに迷惑をかけるだろうし、その後教師を続けるかは分からない」

 

初対面約40名の13歳の生徒たちを前にして、いきなりロートーンで放たれた衝撃的な言葉の数々に、誰もがまさか冗談なんて言えなかった。ヤンチャな男子もギャル予備軍の女子も、誰もが少し俯きながら話を聞いていた。いやいや、何でそんなこと新学期最初のホームルームで言うの???? もうちょっと打ち解けてからでもよくない??? なにより、めっちゃ気まずい・・・・・・・・・・・・・・・。当時、13歳の私は正直そう思っていたし、きっとクラス全員、大体同じような心境だったと思う。

 

開けっ放しの扉から、2組と5組の楽しそうな笑い声が聞こえてくる。いいな、あの2クラスの担任は1年の時から持ちあがりだし、どっちも体育の先生だからユーモアも熱量もある。絶対楽しいホームルームなんだろう。いいな。こっちなんかいきなり白衣に眼鏡の寡黙そうな先生から、母親がじきにお亡くなりになるカミングアウトされて最早ここがお通夜状態なのに・・・・・・。新学期早々、ホームルーム終了のチャイムが鳴るまで私たちは神妙な顔をして、沈黙に耐え続けていた。13歳の春にしては、なかなかな体験だった。

 

◆変わった担任、になった瞬間。

衝撃的なホームルームの後なのでクラス全員が身構えてたような気がするが、意外にもその後お母様の話を引っ張ることもなく、ただの「寡黙な担任」という認識で日々が過ぎていった。また、授業が本格的に始まると淡々とした中でも結構茶目っ気があるのではないか、という部分も見えてきた。
そして何より、「寡黙な担任」から「変わった担任」に認識が変わったのが、授業だかホームルームだかで少し時間が余ったタイミングに先生が話し出した内容だった。「先生なんか面白い話して~」誰かが勇敢にもそんな雑なフリをした時に、I先生は少し考えてこう切り出したのだ。

 

「じゃあ怖い話でもするか」

 

そして先生は話し出した。
先生が別の学校で教師をしていた時の話だ。卒業式の時に体育館のステージ上に貼る大きな壁画、っていったら伝わるかな? クラスごとに担当部分を教室で作成(うちの学校は毎年貼り絵だった、色画用紙ちぎるやつ)して、それをくっつけて大きな1枚の絵にするやつ。先生は放課後に全クラス分のそれを体育館に飾って完成させる担当だったそうだ。放課後、部活も終わって誰もいない体育館で、でっかい脚立に座って、仕上げをしていた。先生は絵が描けるようで、絵の具を使ってクラスごとに思い思いに作った壁画をひとつの「作品」として見れるように仕上げを頼まれていたらしい。ステージ上、壁画を飾っている奥に向かって作業をする。照明もステージ上しか点いておらず、バスケ部やバド部、バレー部が練習をしていた体育館自体は誰もいないので真っ暗だ。

先生がしばらく作業をしていると、はっきりと、バスケットボールをドリブルする音が聞こえてきた。ダムダム、というあれだ。
ダムダム、ダムダム。もちろん完全下校時刻はとっくに過ぎており(9時くらいだったと言っていた)、そもそも照明がついていない上にボールも体育倉庫にしまってあるはずなのに、ありえない。しかもタイミングが悪く、絵筆を洗っていた絵の具バケツの水を取替えにいかなければならない。水飲み場は体育館の入口のすぐ傍だが、どうやってもそのダムダムしているコートを通り抜けなければいけない。意を決した先生は、脚立を降り、バケツを持って、振り返る。
ーーダムダム、という音はピタリと消えた。
それでも無言で、なるべく壁に沿って歩く。水飲み場の蛇口で新しい水に替えて、また壁側を無言で歩く。明かりの灯ったステージ上に戻り、また脚立にのぼって絵の続きに取り掛かると、再びダムダム、とドリブルの音が響き始めたという。

 

「いや、俺すごく心霊体験はあるんだけど、実物はどうしても見れないんだよなあ、残念だ」

 

心底残念そうに先生はそう語った。めっちゃ見たいらしい。
あ、この人変な人だ。そう思うと、新学期早々のホームルームでの発言もこの先生「らしく」感じ、急にI先生の人気は上がっていった。

 

◆時間が余れば「怖い話して!」とせがむ我々

思春期真っ只中、普通と違ったことに憧れる中学二年生であった我々にとって、「担任が心霊体験談を語ってくれる」というのはちょっとした自慢になった。理科の授業も時間が余るたびに「先生怖い話して~!」とギャル予備軍やチャラ男予備軍たちがきらきらした目でせがむ。(ギャルってこういうタイプの先生好きだよね)一度それで授業が進まなくなった時なんか「わかったわかった、話の代わりに心霊写真持ってきてやるからそれで我慢しろ」とか言って、職員室か科学準備室の自分のデスクから心霊写真を持ってきてくれたこともある。(普通学校の机に心霊写真いれとくか?)昔からの仲である知り合いと山登りが趣味であるという先生が、鬱蒼と茂る森の中(道とかない)でにこっとピースサインを向けている写真は、もう数え切れないほどのオーブに包まれており、あれとこれが顔に見えるとその日は大盛り上がりだった。

 結構沢山の話を聞いたはずなのに、覚えているのが最初の体育館と、森の中の心霊写真と、あとは猫の首が入っていた話だけなのが悔しい。他に覚えている人いたら教えてほしいレベルだ。体験談だけではなく、今でも聞いたことのないような怖い話をすらすらと語ってくれる先生だった。本当に怖い話がすきなんだろうな、今考えるとかなり語り上手である。訥々と喋るものだから、クラスが聞き漏らすまいとシン、とするのも「らしかった」し。修学旅行の帰りの新幹線とかも、あちこちでトランプやUNOで盛り上がる中、先生のところに何人も集まって怖い話を聞いていた。猫の話はその時に聞いた気がする。

 

◆I先生の「変な実験」と「危ない趣味」

話は変わるが、I先生は理科の教師だ。(多分科学専攻?)
先生はよく、自分を実験台に変わった実験をしていた。
「人間はどこまで白米を食べずに生活できるか」を試していた時は、給食の白米を食べずにいたし、北海道の冬だというのに「何度までならストーブをつけずに生活できるか」を調べていた時は「いや~、今日は危なかった」と毎日報告をしていた。(マイナス9度でギブアップしていた)とにかく、「その実験って意味ある?」と思うようなヘンテコな実験ばかりしていた気がする。そして、前述したように先生の趣味は山登り(道なき道を進むのが好きらしい)で、土日によくあちこちへ赴いていた。とある月曜日、朝のホームルームで先生はこんなことを言っていた。

 

「昨日行った森、歩いてたら崖に行き当たって、せっまい道を張り付きながら進まなきゃいけなくってな。落ちたら一発アウト。危うく今ここにいないところだったわ


ははは、と先生は小さく笑っていたが割りと笑い話じゃなかったし、私はその話を聞いてその時ちょっと前にやっていたドラマ「雨と夢のあとに」の主人公:雨(黒川智花)の父親(沢村一樹)を思い出していた。幻の蝶を求めて台湾に渡って、崖から足をすべらせて森の中で命を落とすやつ。幽霊となって娘のもとに戻ってきて、幽霊であることを隠したまま生活するって感じの導入。つまり「私たちが見えている先生は実は幽霊かもしれない」っていう面白い妄想を一瞬したのだ。さすが中学生。

 

 

◆進路相談と科学準備室と絵

しかし、印象に残っているのは、変な話ばかりではなかった。
3年になると本格的な進路相談が始まった。
三者面談と呼ばれる、親、担任、自分で話すもの(教室でしっかりやる)の他に、個別に先生と話すものがあって、そっちは放課後に、先生のものがごちゃごちゃと置いてある科学準備室で行われた。準備室があてがわれている教師って、職員室より過ごしやすいのか、そっちにめちゃめちゃ私物を持ってきてたりするイメージがあるけど、I先生も例に漏れずそのタイプで、薬品棚以外の場所に所狭しと私物があって、しかも薄暗くて、今思い返せば小説とかで出てくる偏屈な大学教授の部屋、って感じだ。(私は専門学校に進んだため実際の大学の様子はわからない)更に、今こうして書きながら思い出すと、その狭い科学準備室は先生の机しかなかったような気もする。他の先生はどうしてたんだろう、と思い直すけど、そもそも白衣の先生はI先生以外いなかったような気がする。

 

私は、典型的な「中学まではそこそこ頭が良い」タイプで、更にテニスの王子様にハマってソフトテニス部(軟式しかなかった)に入部して部長になって「そこそこ良い実績」を収めていたため、内申点ってやつも良かった。今から頑張れば地域で一番レベルが高い高校にも進める、というくらいだった(東西南北、って呼ばれてた)が、当時の私には特にそこに行きたい!という強い意志もなく、少し気になってたのは「軽音楽部」がある高校だった。ただ、少し今の学力より落ちるため、少し考えてみるか? という話をしたりもした。(「推薦のためにここまでレベル落とすのも勿体無いよなあ」と言われていた)当時今よりは肩身の狭かった「軽音部」を進路選びのきっかけにしていたのに、結構真剣に向き合ってくれていた気がする。

 

ただ、音楽をやりたい、という話は初めてしたので先生は驚いたようで、「○○は絵に進むんだと思ってた」と言われたのを覚えている。体育館の話でも書いたが、先生は絵がかけるようだった。とはいえ、実際に描いたものを見たことがあるわけではない。見たことがあるのは、「自画像」として先生がよく使っていた(テストの答案にふきだしでコメントがあったりした)眼鏡に白衣姿の、今でならラインスタンプで一発狙えるような「怪しい白衣のゆるキャラくらいだ。

絵を描くのがすきなオタクなら味わったことがあると思うが、中学生で「そこそこ」絵が描けると色々と描く機会がある。修学旅行の目標? テーマ? のイメージイラストとか、学級旗? とか。とにかく、色んな場所で私の絵は使われていた。あと美術の時間もわりと手本とされることもある。ただ「そこそこ」なのは自分が一番分かっていたので、絵は趣味止まりだと決め付けていた。そこを、先生は拾いあげて、「○○は絵を描くことを続けた方がいい」と言ってくれた。今考えると相当珍しいだろうなと思う。

 

2回目の進路相談でまた科学準備室のふかふかの黒い椅子に座ったとき、先生がごそごそと取り出したのは大きなキャンバス(サイズは詳しくないから分からないけど、結構大きかった)で、そこには鉛筆で描かれたもうそれはそれは「うまい」「すごい」としか感想が出てこないような大きな滝の絵があった。前回の進路相談を経てわざわざ持ってきてくれたらしい。「○○に見せたかった」「他のやつらには言うなよ」と、なんと先生と私の秘密ができてしまった! 白衣で、変な実験をよくやって、幽霊が見たくて、話上手で、さらに絵まで描けてしまう。ううん、すごい先生だなと思ったけど、先生自身は器用貧乏って言ってた。今の私も自分で器用貧乏だなとつくづく思うので、もしかしたら私に対して自分と似たところを感じ取ったのかもしれない。

 

結局、軽音部のある高校に進む道を選んだが、卒業アルバムに寄せ書きしてもらった時はあの「自画像」のゆるキャラがやばい目つきで花咲爺さんよろしく、木に灰をまいて花を咲かせているイラストに「才能の花をさかせよう」とメッセージをつけてくれていたのは、今でも凄く記憶に残っている。

 

◆先生、先生を辞める。

余談だが3年生のときに、先生の母親は亡くなってしまい、少しだけ先生は学校を休んだけれど、案外すぐ戻ってきて、普通に先生を続けていた。私たちはこの頃には先生のことがかなり好きだったので、お母様が亡くなってしまった衝撃より、先生が先生を続けてくれた方が衝撃的だったし、嬉しかった。2年生最初のホームルームは当時地獄のようだ、と思ったけれど、私たちはこの日の出来事のために一年前から心構えが出来ていたってことなので、結果だけ見ると、先生の選択は正しかったのかもしれない。(もうあんな初手お通夜状態は二度と味わいたくないけどね!)

 

そして私たちは卒業式で先生にひとりひとり名前を呼ばれて、無事に中学校を卒業した。今じゃ無いだろうけど、同時うちの学校は、卒業時の担任が転任する際、卒業生も終業式に参加して良い学校だった。2組の先生が転任する時は、サッカー部顧問だったこともあって多くの人が集まったし、5組の先生は確か、別の学校の教頭先生になった。部活の集まりの花束だったり、ひとり1本お花を買って高校の制服で終業式に参加するのも、結構楽しかった。

 

ある日、高校何年生の頃だったか、いや、もしかしたら専門学生の頃かもしれない。「I先生が先生を辞めた」と風の噂で聞いた。転任ではなく、教師自体を辞めた、という話だった。なんとなく、花は渡しに行かなかった。話を聞いたとき真っ先に、「I先生らしいな」と思って笑った。「変わり者」の先生のオチとしては、これ以上にない起承転結の「結」だった。そういえば先生は私たちの担任になる前にも3年生の担任で、連続で教え子を見送っており、「見送るのは向いてないんだよなあ」と小さな声で言っていたし、卒業証書をもらう私たちの名前を読み上げるときは、途中、声が震えていたな、と思い出した。


先生が何をしているのか、生きているのかすらわからないけれど、もしかしたらまだ山にのぼってるかもしれないし、念願の幽霊とあえたかもしれないし、ヘンテコな実験をしているかもしれない。
それでも私の中学二年間の担任は、「優しい変わり者」の先生だったことは、間違いない。


今の事務仕事で、担当外のデザインやラフの仕事を任された中で思い出したので10年以上前のことを書いてみた。ちなみにこうして、先生のおかげでゆるゆると、絵は続けています。

 

 

七夕の日、日本青年館は間違いなく「綾薙学園」だった。

 

先日、Second Season ミュージカル「スタミュ(以下ミュミュ)を観劇した。

初演とカリグルは配信で見ただけなので、生で舞台を見るのは初めてになる。

 

初演のきらきら!歌!笑い!一生懸命!衝突!仲間!絆!逆境!そして成功!といった眩さに、画面に釘付けになったのが1年前。初演はアニメの1期をなぞる形で舞台化されたため、杉江くん演じる主人公・星谷くんが「あの日雨の中ひとりで踊っていた憧れの高校生」を追いかけるために「綾薙学園」に入学し、そこで出会った個性的な仲間と、拾い上げてくれた鳳先輩と共に最初の一歩を踏み出すお話だった。

 

今回はドラマCDとOVAにオリジナル(脚本はアニメ脚本の方なので実質新作!)が加わり、年末年始の話からはじまり、華桜会の先輩方が卒業する際に感謝を伝える「卒業セレモニー」までの話がメインとなる。

 

開始3分ですでに泣いてしまったわたしが言うのも説得力がないけれど、ミュミュはとにかく「きらきら」が沢山あって最初から最後まで「きらきらしかない」お話である。それでいて起承転結がしっかりあって、友情・努力・勝利がお約束のジャンプ漫画のような、カタルシスを感じる部分でさえきらきらと輝いている。

 

今回は主題である「1年間指導をしてくれた先輩に感謝を伝える」ということが、丁寧に表現されていた。自分に期待してくれた先輩、自分を励ましてくれた先輩、自分を拾いあげてくれた先輩。自分にとってかけがえのない先輩に、どうやって感謝を伝えようか。どんな演目なら喜んでくれるだろうか、どんな演技なら学園のトップに立っていた先輩の顔に泥を塗らないセレモニーができるだろうか。寂しいけれど、どうやって、卒業しても頑張ってくださいと背中を押そうか。チーム鳳もチーム柊も各々が悩み、時にはぶつかり、エリートにはエリート故のプレッシャーがあったりと(2幕の戌峰くんが柊先輩に質問をとばすくだりからずっと泣いていた)話が進んでいくのだが、ぜんぶがぜんぶ、誰かが誰かを大切に想う故の「愛情」きっかけなのが、じわりと観客の心にあたたかい感情が広がっていくような物語だった。

 

 それは物理的な煌びやかな照明であったり、思わず鳥肌がたってしまうような演出であったり、吉谷さんが得意とするカラフルな演出が最大限スタミュの世界観を目の前に立体として再現しているという部分も大きいだろう。わたしは星谷くんが制服から衣装にかわり、きらきらのステージでRISING STARを歌いあげている時に上手に座り込んでにこにこと彼の成長を一番近くでみている鳳先輩、という図がとてもすき。あんな幸せな瞬間そうそうない。

 


今回は華桜会の絆もたくさん描かれていて、楪先輩のみんなを心配に想う優しさや、暁先輩と鳳先輩の駅のシーン(マフラーのまきかたがアニメと同じでかわいかった)や、漣先輩の厳しい口調の中にみえるあたたかさ、柊先輩の心からの優しい言葉のすべてが、わたしが見たかった華桜会だった。華桜会がすき……。

 


ギャグパートもたくさんあって笑ってしまった、ネギとか、ネギとか虎石みませんでした?とか…………笑 杉江くんはほんとうに笑いに貪欲でずるい。

 


キャスト全体も初演から歌唱力があがっていて、あがっていたというか「良い歌い方を覚えた」という感じで、それがまた1年で成長した学生たちとリンクするんだよなあ、と感慨深くなったりもする。(テニミュとかと同じ現象)

 

 

 

ディレイ配信やライビュも決定してるので気になる人は気軽にみて欲しいし、当日券もあるのできらきらを浴びて欲しい。予想以上に彼らはきらきらしてるし、予想以上にきらきら(物理)していて驚くはずだ。

http://star-mumu.com

 

余談だが、新しくなった日本青年館にはじめて行ったのだが、物販のメッセージカードの内容(本来卒業セレモニーは外部の観劇はできないけど、今回は特別に観劇できるんだよ!という旨が書かれていた)もあいまって、「ここが綾薙学園で、わたしは今から卒業セレモニーを見るんだ」という没入感としてはぴったりだった、というあれこれもありました。

 

 

 

一度見て幸せなきらきらをたくさんもらって胸がいっぱいになって、もっと見たい!という気持ちと、この最初に受けた感動をずっと新鮮にしまっておきたい!という気持ちでこんなにせめぎあう舞台もなかなかないんじゃないかなあ。

 

 

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これはミュミュの後に食べたイチジクとブルーベリーのケーキです(他に写真がなかった)

 

 

 

 

今年のバレンタインは『ETL vol.214 〜ほしいのはキミのチョコだけ!』でアイドル三昧だったはなし

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先日BttP鑑賞会がてらE.T.L vol.214の映像が見れる!ということでジョイサウンドさんに行ってきました。DVDの渡され方が斬新でめちゃめちゃ笑ったんですがあれどこの店舗も同じなんですかね? キャップの録りおろしボイスのおかげでカラオケルームが一気にスペーストリップになった。あとニコ生より画質がよくて素晴らしかった・・・・・・。

 

そこでブログ止まってるじゃん!ということを思い出しました。
なんか気合いいれるとハードル上がって書けなくなっちゃいますよね。ということでラフに書いていこうかと思います。バレンタインまで記憶を戻します。客入れ曲がバレンタイン!恋の曲特集!で可愛かったです。

 

■初日、4連番。
2/14バレンタイン当日、E.T.L初日は古参の方々と4連番でした。通路側からオレチャ緑チャ桃チャ白チャ(私)です。見事にばらばら。そのあと入った2回はぼっち観劇でした。
っていうかお見送りはあったけど、歌って踊る生キャップを見るのが初めてだったので、朝仕事をしているときからめちゃめちゃ緊張してた。「私もだよ」って喋ってくれた生キャップが6文字以上喋るという事実が近付くごとに心臓がバクバクして怖かったし、メサイア初日と同じ位緊張してました(って開演前に現場であったフォロワーに言ったらめっちゃ笑ってたし驚いてた。「メサイア初日と同じくらいはヤバイ」って言ってた)

 

①「レッツ・ソングアンドダンス」ETL214ver.
⇒いきなり通路側にジュジュがやってきて、緑チャのフォロワーさんの横で激烈ファンサを飛ばす。ついでに全員でギャーとなる。アイドル全員一気に歌い踊るから目が迷子。各グループ紹介ソングをBGMにしていたのすごく賢い!となったし、まさか2018年に三日月のコールを入れられるとは思わなかったので嬉しかったです!

 

②「MI・WA・KU」
⇒BttPだとゲスト枠の曲だったため、実は正規のふたりで見れるのは初めて。っていうか生ヴィーちゃんも初めて。太もも。えーん綺麗・・・・・・と思いながら、この頃には新参の私でもペンライトが上手に振れるようになってました。ふふ。

 

③「君が好きだと叫びたい」
せ、選曲~~~~!!!!
わかる、ジュジュくんにこの「君が好きだと叫びたい」と歌わせたい気持ち、めっちゃわかる。爽やか、青春、恋愛。きっとジュジュくんはバスケも似合う。指さされる位置にいる人たちがビクッとなったりペンラ振れなくなっちゃうのが面白かったです。なんかジュジュくんみたいな先輩が学生時代にいたらスポドリとか差し入れしたくなっちゃうし焼きそばパンが似合う気がする。

 

④「ペッパー警部
E.T.Lの洗礼を浴びる(衣装何!?!?)
ブログでふりふり~の部分だけ写真が出ていた時はかわいい~!女装するのかな~~とか思ってましたがこれ、直視していいの?大丈夫?というぎらぎらピチピチの衣装に、直視していいの?という振り付け。細っこいマーニィちゃんと幼児体系のようなサティちゃんの身体のラインにどきどきしながら可愛いふたりを堪能しました。しかしペッパー警部のペンライト芸が出来るようになって今後使う機会があるのだろうか。

 

⑤「ビタミンラブ」
⇒「次は、一番かわいい、ポミィだよ!」の声と共にやってきたポミィとかかるビタミンラブ!こどちゃにちゃっくあっぷが出演した際にポミィは歌っていない、と聞いて熱い展開だなあ!となりました!相変わらずバッキバキにかっこいいダンス(しかしふりふりの衣装)を披露しながら笑顔で歌うポミィちゃんは本当アイドルだなあと思います。アイドル楽しんでるポミィちゃんめっちゃ愛しい。

 

⑥「HELLO」
⇒プライムーン!!!!プライムーンちゃんたちがおもむろにやってきました!要さまに頼んで出演してもらったプライムーンちゃんたち。あのね、私は君たちをすごく楽しみに会いにきたのよ、と思いつつ、もちろん要さまにお会いできることも楽しみなのでキャーとなる私。プライムーンちゃんたちが自分たちを見てくれ!という日も早く来てほしい。ジュジュくんの時も思ったけど、要さまに「HELLO」を歌わせる選曲が素晴らしい。すくないMCなのに初日うろうろっとしてしまった要さまが愛しい。今日も大きくて安心感のあるお姿ですね、とプラムンちゃんたちと並ぶと特に思います。W青羽ブリザードめっちゃテンションあがりましたパフパフ。プラムンちゃんひとりひとりと見せ場がある良曲。

 

⑦「ラムのラブソング」
⇒以前ミミタくんが歌ったラムのラブソング、今回はヴィーちゃんが歌ってましたっていうか衣装・・・・・・チャイナ・・・・・・胸のハート・・・・・・(混乱)相手の男性が要さまとジュジュくん日替わりでニコニコしました。的確に自分の色じゃないお客さんに「なにいってるんだろうね?」みたいな雑~に話しかける要さまめっちゃ面白かった。かわいらしいポーズもこなしてしまう要さま、さすがアイドル!ジュジュくんはひたすら爽やかボーイでなんかもう、すごい。

 

⑧「自分の道」
E.T.Lの洗礼を浴びる(2度目)
最初正反対の通路だったし誰が出てきたかわからなくて、あれキャップ?頭白くない?大きくない?ってなって歌い始めた知ってるエピゼロ曲と見たことない姿に混乱、近付いてきた褐色の美女に混乱。ステージにのぼったときにひらひらしたスカートからのびた細い脚に、会場全体がどよめいた初日の空気が今でも忘れられません、いつから女王になったんだ・・・・・・王になろうとしていたんじゃなかったのか・・・・・・。

 

⑨「狙いうち
⇒2曲連続ソロ!しかも歌詞に圧倒的説得力!!!!!!キャップに山本リンダを歌わせようと思った人にハムを送りたい気持ちです。「神がくれたこの美貌 無駄にしては罪になる」の説得力がやばかった・・・・・・。あとはセンターにいたからか、やたらと絡まれがちな朔くんがかわいかった。プラムンちゃん始終真顔で踊らなきゃいけなかったから大変だったろうな~と思いつつ。まさかチャックとプラムンが絡むことないだろうと高をくくっていた私、「朔」と「レイ」が裏表になったうちわを呆然と持つしかなかった・・・。
千秋楽にこっちの方向にピラッとスカートをひるがえしておみ足を見せてきたレイ皇女に、ギャーーと叫びました、美しかった・・・。

 

⑩「アロハ・ヌイ・ロア」
⇒後半戦突入!ということでここからカバー曲ではなくオリジナルに突入です!もう半分!?となりつつもすでに胸焼け寸前だったので、サティちゃんの圧倒的癒しパワーをありがたくいただきました。

 

⑪「今夜、夢の中で」
⇒BttP初披露だったマーニィちゃんの新曲をここでも披露です。ダンスをするのがBttPはセシィだったのが、今回はサティちゃんでした。セシィとは全く違う印象になっていたなあ、と。妖精さんのようなサティちゃんのダンスとマーニィちゃん甘い歌声が相まって「僕と君のふたりの世界」感を強く受けました。(セシィくんとだと「私(お客)とマーニィのふたりの世界」になる)きらきらとした夢のような空間。BttPの黄と青のペンライトの海がまるで夜空に光る星のようで、「夢の中」感を濃くしていたなって思ってたんですが、こっちはなんだかファンタジーっぽかった。

 

⑫「エキゾチックラバーズ」
⇒口上が入っていて、BttPからわかりやすくパワーアップしてるエキラバ、最高でしたよね?!千秋楽だけ「僕のこと、だーいすきだよね?」から入ったの、流石に悲鳴があがりました。あまりにも浅黄の血・・・・・・・・・。私ですら「じゅ、順くん・・・・・・」と崩れそうになった。のんちゃんキューートな上にちゃんと2階席まで手厚いファンサをとばしていたし、朔くんの「やっと会えたね」からの手をピストルみたいにして狙い撃ちする新ファンサ(いつか受けて死にたい)もかっこよかったし、なんかもう「ティアラのみんな、お姫様になってね」はそりゃあ一晩でお姫様ですわ・・・・・・となりました。約1ヵ月で見るからにパワーアップしていて、要さまのレッスンを頑張って受けたんだろうなあ、とほほえましい気持ちになりました。見守りたいアイドルグループ、それがプライムーン・・・・・・。

 

⑬「さざ波のLOVE SONG」
初見、泣き始める私。
いや、びっくりした、びっくりしたな・・・・・・さざ波うたうんだ・・・・・・2018年すごくないですか・・・・・・・・?すっかり三日月の女になりかけている私、生でさざ波を聞いてしまった。「だって君のことずっと昔から見てきた」の歌詞にプライムーンの未だ明かされない秘密をもしかしたらと深読みして泣いた。千秋楽「君」の部分で朔くんとばっちり目があってしまい固まった。うう、最高の時間だった。

 

⑭「JOKER GAME」
最高の時間が続いている~~~!オリジナルメンバーがいるから絶対やるよね!とフォロワーさんとひたすら話していたんですが、チャイナ×2のダンサーちゃんの破壊力と、キャップとジュジュの破壊力たるやヤバヤバでした。「焦らしてるの焦らされたいの」の、しゃがみこんでこっちに片手を伸ばしてニヤッと笑いながら挑発してくるジュジュくんをゼロズレで受けて硬直してしまった・・・・・・周囲みんなピギャってた、めっちゃすごかった・・・・・・。24時間ジョカゲを聞いていたい・・・・・・。

 

⑮「無重力LOVE」
⇒めっちゃ面白いんですけど、私すっっっっかり無重力LOVEがくることを失念していて。エキラバからの一連の流れが供給過多過ぎて、頭から抜け落ちてたんですよね。だからジョカゲでギャーってなったあとに「諸君、盛り上がっていくぞ!無重力LOVE!」ってキャップが声をあげた瞬間に「こんな幸せな流れがあっていいのか?!」と真っ白になって、しかも初日歌いだしが真正面ゼロズレで、ぶわーっと泣いてしまった(アイドルに弱すぎる)
で、みんなペンライト振ってる中ひとりだけ白のペンラ握り締めて硬直してる女がいたらそりゃあ目立つわけで。にじむ視界の中、キャップがこっち見てるのがわかってウワーとなってしまって余計泣いた。ごめんキャップありがとう。生「無重力LOVE」コールが出来てしぬほど嬉しかったです。ありがとうE.T.L・・・・・・。

 

⑯「バレンタイン・キッス
⇒ラストは全員のバレキス~!初日がバレンタイン当日ということもあって、こんな幸せなバレンタイン、そうそうないよなあとほくほくでした。あっというまの1時間、千秋楽でダブワちゃんのミニライブ発表があったのも嬉しかったし、この後のチョコお渡し会(袋を両手で開いて持たされる我々)もなんか色々すごかった。初日ジュジュくんが「ハピバレ!ハピバレ!」と元気よくチョコを突っ込んでくれるのをみながら「八百屋か魚屋さんの息子だ・・・」となりました(伝わる?)キャップまさかの皇女姿でびっくりした。着替えが早い。

 

■余談
初日終演後、物販に並んでいたらフォロワーさんに遭遇。腕を掴まれて「初めてのキャップがあれ(説明なしの謎女装)で大丈夫でした!?!?!?」と心配してくれたのがめっちゃ面白かったです。「無重力LOVEでダバダバ泣いたので大丈夫です・・・・・・」と情緒がぐちゃぐちゃな返事をしてしまった。


箇条書きにすればなんとかいけるか?と思いましたが余計長くなるだけだと知りました・・・・・・笑


とにかく、E.T.Lめちゃめちゃ楽しかったです!